心を引き締める3月を考える

 平成21年も早2ケ月が過ぎ、どなたでも心が弾む春の到来です。僕は小さい頃から、この時期が大好きで、松本の実家の裏にある桑畑によく一人で出かけたものです。信州の3月は、まだ深い雪に覆われた北アルプス・常念岳の山々から吹き付ける寒風が身を凍えさせ、まだまだ暖かな春は遠いなと感じさせますが、僕は、本能的な五感で、何となく春の足音を全身で感じていました。桑畑の土に目をやると、ツクシの芽が顔をのぞかせ、また土手の暖かな日差しが注ぐ場所には、オオイヌノフグリのあの可愛らしい紫の小さな花が咲き誇り、目を奪われたものです。さらに、実家の家のつぼ庭には、福寿草やクロッカスが太陽に向かって喜んでいるように咲き誇り、スイセンの芽はいっせいに春空に向かって生長していて、僕は子供の幼い心ながら、生命の強い息吹に感動していました。

 このような子供の頃の強い思い出は、今でも、実家に帰ると蘇り、自然と実家の周辺を歩き回るのが習慣になっています。ただ当時の桑畑には、現在、信州大学の思誠寮という学生寮が建っているので、懐かしい思い出の風景をみることはできません。たいへん残念なことです。

 

 さて、2月から3月は、大学も年度末でたいへん忙しく、在校生の後期試験や入学試験、国家試験対策、卒業式準備、あるいは4月の入学式・オリエンテーションや新年度の講義への準備など、役職者には、毎日、大学運営に関わる仕事や会議が襲ってきます。これも責務であり、きちんと誠実に取り組みながら、学生の教育満足度を向上させるべく力を注いでいます。一方で、この3月は年度末であるため、この1年間を謙虚に振り返るときでもあります。僕は、この1年間、どれだけ学生のために時間を割き、意味のある教育活動ができたのだろうか。また、どれだけ学生のために研究活動ができたのだろうか。さらに、僕はこの1年間、どれだけ社会のために力を注ぐことができたのだろうか。そんな問いかけを自身に投げかけ、沈思黙考するときになっています。

 

 心を落ち着かせ、静かに目を閉じて過ぎた1年を振り返ると、素直な気持ちで反省できるものです。このプロセスで、自戒の念とともに、心がリセットでき、反省すべき点は新年度に悔い改めて、自己の向上に結びつけようと考えるのです。

 

 100年に一度の大不況といわれる時代に突入し、明日の世界の姿が不透明でみえにくくなっていますが、こんなときこそ、まず各人が自分の行動と言葉に責任をもって、自分の人生がどうしたら豊かになるかを、謙虚に忍耐をもって考えることが大切と考えています。この延長線に、ロハスの考えが出て参ります。健康で持続可能なライフスタイルをどう構築し、人々が生涯にわたり、健康で豊かな生活をいかに維持することができるかを求めていかなければなりません。持続可能ということばの背後には、地球環境を安全な形で守ることが包含されています。以前、記述しましたが、腹八分、分度盃の精神は、地球環境の保全にも通じると思います。少しの我慢と忍耐で、このかけがえのない地球環境を守っていきたいと思います。

 

 ちょうど4月からは、昨年設立した内閣府認定NPO法人ロハス未病医学会も始動します。具体的な意味のある行動を一歩一歩手がけていこうと決意しています。自然と人のとの共生を熟慮しながら、未病を解決し、人々が健康な中で人生を全うできるように、少しでも力を発揮したいと考えています。

 

 3月は明日の自分を謙虚に考え、心を引き締める月であると思う1日でした。

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